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『相模原市公共施設白書』を発行しました。 発表資料 平成24年5月分 | 相模原市

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(1)

『相模原市公共施設白書』を発行しました。

このたび、市が所有する公共施設の実態を分析した『相模原市公共施設白書』

を作成しました。

白書は、市民の共有財産である公共施設の現状について、配置状況や利用状

況、管理運営コストなど様々な視点から分析するとともに、更新・改修の将来

コストの試算なども行いました。市では、今後の施設配置のあり方や維持改修

コストの平準化、有効活用などの基本的な方針を定める「 (仮称)公共施設の保

全・利活用基本指針」の策定を予定しており、そのための基礎資料として活用

していきます。

白書は市ホームページに掲載するほか、各行政資料コーナー(市役所・緑区

役所・南区役所・城山まちづくりセンター・津久井まちづくりセンター・相模

湖まちづくりセンター・藤野まちづくりセンター)で閲覧できます。また、行

政資料コーナーでの販売(1 冊2,200円)もしています。

平成24年5月14日

相模原市報道提供資料

問い合わせ先

企画政策課

電話 042-769-8203

(2)

相模原市公共施設白書について

1 白書について

本市の公共施設マネジメントについては、平成23年5月に「相模原市公共施設マネ ジメント取組方針」を策定し、持続可能な都市経営など3つの基本的な視点や推進方策、 スケジュールなどを定めたところです。この白書は、その第1歩として、市民の共有財 産である公共施設の現状について、配置状況や利用状況、管理運営コストなどの分析を 行うとともに、更新・改修などの将来コストの推計も行うことにより 、今後の施設整備 のあり方や維持改修コストの平準化、有効活用などを定める「(仮称)公共施設の保全・ 利活用基本指針」を策定するための基礎資料です。

※対象となる公共施設:道路、橋りょう等のインフラ施設などを除いた、庁舎や小中学校等 757 施設(平成23年4月1日現在)

2 対象施設等の概要

・757施設、1335棟、延べ床面積は約165万㎡(市民1人当たり2.3㎡)

・延べ床面積の約半分(47.8%)は学校教育施設

・施設整備のピークは昭和47~51年度

・公共施設全体に要する費用(維持管理費、人件費等)は年間約428億円(人件費の うち県費負担分等を除いた額)

3 将来コストの資産の状況、財政に及ぼす影響

・更新費(=建替え費用)は今後60年間で約4,793億円(年平均80億円)。改修・ 修繕費用の実績(平成20~22年度の平均で約42億円)の約1.9倍のコストがかか る。

・大規模改修の集中期(平成43年度頃まで)には年間約132~162億円の更新・ 改修費用が必要。

・大量更新時期(平成44~53年度)には年平均で約230億円の更新・改修費用 が 必要。

・過去の実績から今後の公共施設の更新・改修に充てることのできる最大費用を一般会 計ベースで年間155億円と仮定すると、今後15年間は現状の施設のすべてを保有し ても更新・改修が可能ですが、平成39年度以降は現状の費用で対応することは困難で あり、延べ床面積で80%、平成44~53年度には60%程度にまで施設を削減しな いと対応できないという試算結果になりました。

4 今後の公共施設マネジメントについて

白書の分析結果等を踏まえ、平成25年度中に「(仮称)公共施設の保全・利活用基本

(3)

相模原市公共施設白書

【概要版】

本市は、今まで時代のニーズに沿った活動の拠点となる多様な施設を整備してきました。ま た、平成18、19年の合併に伴い、4つの町のそれぞれ異なる歴史・政策のもとに建設された公 共施設を引き継ぎました。これらは、やがて迎える更新の時期には相当な費用負担となるため、 その財政負担を今から考えておく必要があります。

少子・高齢社会の進行などの社会情勢や新たなニーズの変化に対応するため、今の施設が真 にニーズを満たすものであるかどうか、民間との役割分担も含めながら、あり方を検討してい くことが求められています。

これらの状況を踏まえ、平成23年5月に「相模原市公共施設マネジメント取組方針」を策定 し、持続可能な都市経営など3つの基本的な視点や推進方策、スケジュールなどについて定め、 全庁的な取組みを進めることとしました。

この白書は、その第一歩として、市民の共有財産である公共施設の現状について、配置状況 や利用状況、管理運営コストなど様々な視点から分析するとともに、更新・改修の将来コスト なども行うことにより、今後の施設配置のあり方や維持改修コストの平準化、有効活用などを 定める「(仮称)公共施設の保全・利活用基本指針」を策定するための基礎資料として作成しま した。

平成24年3月

(4)

目 次

( )内は本編のページを示す

第 1 章 相模原市の概要 (本編P2~21)

1 市の概況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P 2 (2) 2 人口動向 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P 2 (7) 3 財政状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P 3 (13)

第2章 相模原市の公共施設 (本編P24~53)

1 本書の対象施設と分析の視点 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ P 4 (24) 2 公共施設のサービス状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P 5 (27) 3 公共施設のストック状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P 6 (34) 4 公共施設の管理運営状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P 7 (40) 5 公共施設のコスト状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P 8 (42) 6 公共施設における主要課題の抽出 ・・・・・・・・・・・・・・・ P 9 (50)

第 3 章 将来コストの検討 (本編P56~67)

1 将来の更新・改修コスト ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P10 (56) 2 将来コストが財政に及ぼす影響 ・・・・・・・・・・・・・・・・ P11 (63)

第 4 章 施設分野別の分析 (本編P71~204)

1 施設の配置・サービス水準 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P13 (71) 2 少子化対応 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P16(132) 3 高齢化対応 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P17(178) 4 建物性能の確保 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P18(187) 5 管理運営の効率性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P20(196) 6 受益者負担 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P20(200) 7 遊休資産の有効活用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P21(203)

第 5 章 課題のまとめと必要な取組み (本編P206~212)

1 今後の公共施設マネジメントの枠組み ・・・・・・・・・・・・・ P22(206) 2 今後の公共施設マネジメントに必要な取組み ・・・・・・・・・・ P22(207) 資料編 (本編のみ)

資料1 相模原市公共施設マネジメント取組方針 (214) 資料2 対象施設一覧 (217)

(5)

第1章 相模原市の概要

1 市の概況

○地域状況

本市は神奈川県北西部、東京都心からおおむね30~60㎞に位置し、北部は東京都、西部は 山梨県と接しています。

本市では、市域を3つの行政区(緑区、中央区、南区)に分け、旧相模原市の区域の18地 区と旧津久井4町の計22地区をまちづくりの基本単位としています。

市域面積は328.83㎢で、住宅地は市の東部に集中しています。

旧相模原市域と旧津久井 4町では、地区面積や土地利用状況が大きく異なること、合併前 の旧市町ごとの政策方針等に違いがあったことに留意が必要です。

2 人口動向

○市全体の将来推計人口

総人口は市全体では平成33年まで増加を続けますが、減少が見込まれる地区もあります。 生産年齢人口の減少や高齢者人口の増加は、今後の市の財政に大きな影響を与えることが 想定されます。

図 1-6:年齢 3 区分別の将来人口推計

○地区別の人口動向

地区別の将来人口は、「新・相模原市総合計画」における平成31年までの推計値を使用し ました。

本書では、地区別の将来推計人口は「新・相模原市総合計画」における平成31年までの推 計値を使用しています。また、平成23年の人口は将来推計人口の推計値です。

(6)

3 財政状況

○歳入・歳出

歳入に占める市税の割合が高いという特徴がありますが、経済情勢の悪化や高齢化による 生産年齢層の人口減少などの影響を受け、近年は市税収入が減少傾向にあります。

歳出のうち、維持補修費は過去3年平均で約36億円、投資的経費は過去3年平均で約311 億円となっています。内訳を見ると、道路や橋りょうなどの土木費が半分程度を占めていま す。

将来的に投資的経費の予算配分が減少することが想定される中で、いかに改修・更新への 投資を確保していくかが課題です。

図 1-14:維持補修費の推移

図 1-15 投資的経費(普通建設事業費)の推移

(7)

第2章 相模原市の公共施設

1 本書の対象施設と分析の視点

○対象施設

本書で対象とする公共施設は、道路、橋りょう及び上下水道等のインフラ施設、公園、公衆 トイレなどを除いた建築物、いわゆる「ハコモノ」施設を対象とし、平成23年4月1日時点の 維持管理や運営状況などの現況調査を行いました。

なお、対象には市有財産のほかに、民間ビルの賃貸やプレハブのリース等で利用している施 設も含まれます。

表2-1:対象施設一覧

大分類 小分類 主な施設 施設数

行政系施設

庁舎等

本庁舎、南区合同庁舎、区役所区民課、シティ・プラ ザ は し も と 、 総 合 事 務 所 、 ま ち づ く り セ ン タ ー 、 出 張 所 、 連 絡 所 、 東 京 事 務 所 、 人 事 委 員 会 、 職 員 会 館 、 職員研修所、市史編さん事務室

42

その他行政系施設

環境情報センター、衛生試験所、消費生活センター、 就職支援センター、市民活動サポートセンター、国際 交流ラウンジ、社会教育団体室

9

市民文化系施設

文化施設

文 化 会 館、 市民 会 館 、福 祉会 館 、 杜の ホー ル は し も と 、 文 化 交 流 プ ラ ザ 、 産 業 会 館 、 勤 労 者 総 合 福 祉 セ ンター、男女共同参画推進センター、津久井合唱館

10

集会施設

地域セ ンター、地域自治会集会施設、生活改善セ ン ター、多目的集会施設、城北センター、葉山島センタ ー 、 上 岩 集会施 設 、竹 の 子の 里 活性 化セ ン タ ー 、 藤 野農村環境改善センター、石神集落センター

40

生涯学習施設

公民館等 公民館、津久井生涯学習センター 33

図書館 図書館、視聴覚ライブラリー 5

博物館等

博物館、市民ギャラリ ー、史跡田名向原遺跡旧石器 時代学習館、古民家園、津久井郷土資料室、尾崎咢 堂記念館、小原宿本陣、吉野宿ふじや、旧中村家住 宅、相模川ふれあい科学館、小原の郷、相模湖記念 館

12

ス ポ ー ツ ・ レ ク リ エ ーション系施設

スポーツ施設

競技場、体育館、野球場、プール、アリーナ、市民健 康文化センター

21

観光施設

観光案内所、大凧センター、和田の里体験センター、 鳥居原ふれあいの館、青根緑の休暇村いやしの湯、 藤野やまなみ温泉、城山自然の家

9 保養施設 たてしな自然の村、相模川自然の村清流の里 2

保健・福祉施設

保健施設

ウエルネスさがみはら、南保健福祉センター、城山保 健福祉センター、津久井保健センター

4 児童福祉施設 児童相談所、母子生活支援施設 2

高齢福祉施設

老人福祉センター、デイサービスセンター、ふれあい セ ン タ ー 、 シ ル バ ー 人 材 セ ン タ ー 、 高 齢 者 能 力 活 用 施 設 、 老 人 い こ い の 家 、 さ が み 湖 リ フ レ ッ シ ュ セ ン タ ー

15

障害福祉施設

陽光園、障害者地域活動支援セ ンター、障害者デイ サービスセンター、福祉の家

8

その他社会福祉施設 あじさい会館 1

(8)

子育て支援施設

保育所・幼稚園 保育所、幼稚園 30

幼児・児童施設

児 童 ク ラ ブ 、 こ ど も セ ン タ ー 、 児 童 館 、 放 課 後 子 ど も 教室

119 そ の 他 子 育 て 支 援 施

青少年学習センター 1

医療施設 医療施設

診 療 所 、 精 神 保 健 福 祉 セ ン タ ー 、 メ デ ィ カ ル セ ン タ ー、保健センター、調剤薬局、旧伝染病隔離病舎

14 市営住宅

市営住宅 市営住宅 58

あじさい住宅 あじさい住宅 13

学校教育施設

小学校 小学校 72

中学校 中学校 37

その他教育施設

学 校 給 食 セ ン タ ー 、 青 少 年 相 談 セ ン タ ー 、 総 合 学 習 セ ン タ ー 、 ふ る さ と 自 然 体 験 教 室 、 相 模 川 自 然 の 村 野外体験教室

9

資源循環系施設

廃棄物処理施設 清掃工場、一般廃棄物最終処分場、し尿処理施設 5 そ の 他 資 源 循 環 系 施

環境事業所、収集事務所、粗大ごみ受入施設、リサ イクルスクエア

7 消防施設

消防署所 消防署所 22

消防団施設 消防団施設 113

その他

自転車駐車場 自転車駐車場 15

自動車駐車場 自動車駐車場 7

跡地

青野原道志川の家、資料収蔵庫、旧小学校、旧消防 団施設、旧町民センター、旧生活改善センター

16 その他

市営斎場、音楽団体練習室、埋蔵文化財整理室、旧 相模湖モーターボート競走組合事務所

6

合計 757

○分析の視点

本章では以下の2つの視点から分析を行いました。

2 公共施設のサービス状況

○公共施設の整備数量

本書で対象とする公共施設の数は 757施設、建物棟数は 1,335棟、延床面積の合計は約 165 万㎡(平成23年4月1日現在)です。市民1人当たりに換算すると2.3㎡となっています。

①施設整備量と配置バランス

2 公共施設のサービス状況 (どのようなサービスを提供しているか)

②公共施設のストックとコスト及び管理運営の状況

3 公共施設のストック状況 (どのような建物の状態か)

4 公共施設の管理運営状況 (どのように管理・運営しているか)

5 公共施設のコスト状況 (どれだけお金がかかっているか)

(9)

○施設分類別数量

大分類別にみると、施設数では子育て支援施設、消防施設、学校教育施設、市営住宅の 4 分類が多く、全体の約6割を占めています。

なた、延べ床面積では、学校教育施設がほぼ半数であり、市営住宅、スポーツ・レクリエ ーション系施設と合わせて、全体の約7割を占めています。

図 2-2:施設分類別の施設数・延床面積の割合

3 公共施設のストック状況

○建設年度分布

本市の人口急増に伴い、延床面積ベースでは昭和47~51年度が施設整備のピークとなって おり、特に、学校教育施設は5か年で20万㎡を超えるペースで整備を進めてきました。また、 昭和61年度までに、現在保有している施設の半分以上を整備しています。

その後、市営住宅、スポーツ・レクリエーション系施設、資源循環系施設などの施設整備 が増えており、昭和62年度以降も施設保有量は増加し続けている状況です。

(10)

2-10:建設年度別に見た大分類別の建物延床面積の分布(5年集計)

○耐震診断・改修実施状況

市が保有する建物(区分所有の建物、平成23年度に解体した建物を除く)1,270棟、延床 面積1,604千㎡の耐震化の状況を見ると、1,077棟、延床面積1,576千㎡の施設で耐震化が 図られています。

昭和42~56年度に整備された建物は、おおむね半数以上に改修の実績があります。

4 公共施設の管理運営状況

○維持管理の実施状況

各施設管理者が点検を実施することによって、所管施設について自らが詳細に状況を 把握できますが、各施設の維持管理状況を一元化する仕組みがないため、横断的な把握

(11)

○指定管理者制度の導入状況

本市では、文化施設、スポーツ・レクリエーション系施設、高齢・障害福祉施設、市営住宅、 駐車場など、多くの施設で導入しています。

図2-16:施設分類別の指定管理者制度の導入割合

5 公共施設のコスト状況

○年間支出の状況

図 2-17公共施設全体に要する費用 公共施設全体に要する費用は、年間で約686

億円です。これには、教職員等の県負担分(約 258億円)などが含まれているため、市の負担 分は、約428億円となります。

内訳は、人件費が約467億円、維持管理費( 光熱水費や保守など、建物の管理に要するコス ト)が約109億円、事業運営費(窓口業務など、 建物で提供するサービスに要するコスト)が約 75億円、指定管理料が約35億円となっており、 人件費の占める割合が大きくなっています。

なお、人件費のうちの市負担分は約209億円となっています。

(12)

○公共施設サービスのフルコスト 図 2-19:公共施設全体のフルコスト 本書では、公共施設サービスに要する費用と

して、前項で整理した維持管理費、事業運営費、 人件費を合わせた支出額に、建物の取得費用を 含めた「フルコスト」で分析を行います。

建物の取得費用は建設時に発生しますが、こ の費用を、建物を使用する期間中の1年当たり のコストに換算するため、減価償却費を算出す ると、市が保有する建物全体の年間減価償却費 は約56億円となり、公共施設全体のフルコスト は約484億円となります。

6 公共施設における主要課題の抽出

公共施設を取り巻く本市の概況及び、本市の公共施設全体に関するサービス、ストック、 管理運営、コストの視点からの現状分析を踏まえると、以下に示す視点から、公共施設の 課題について検証を深めることが必要と考えます。

○課題検証の着眼点の抽出

サービスの必要性、サービス提供の継続性、サービス提供の効率性

○分析の視点

・必要性の視点(施設の配置・サービス水準、少子化対応、高齢化対応)

・継続性の視点(将来コストの明確化、建物性能の確保)

・効率性の視点(管理運営の効率性、受益者負担、遊休資産の有効活用)

(13)

第3章 将来コストの検討

1 将来の更新・改修コスト

○試算条件の設定

将来コストの試算は、公共施設のうち、市が所有する施設について以下の条件で行いました。

○将来コストの試算

更新費は、今後60年間で総額約4,793億円となり、そのうち、今後30年間に発生する費 用を平均すると年間71億円、60年間の平均では年間80億円となります。

本書の調査により把握した改修・修繕に要する費用の実績(平成 20~22 年度平均)が約 42 億円であることと比較すると、将来的には更新だけで 1.7~1.9 倍のコストがかかること になります。

○改修費も含めた将来コストの試算

平成43年度頃まで、大規模改修の実施時期が集中し、5年ごとに約 656~813億円(単年 度平均で約132~162億円)の更新・改修費用がかかります。平成44~53年度の大量更新時 期には、10年間で約2,276億円(単年度平均で約230億円)程度の費用がかかる試算結果と なっています。

図 3-4:改修費も含めた更新費の試算結果(5 年集計)

・更新単価は発注実績により、構造別に建設単価を設定

(清掃工場など特殊な設備が必要な施設の設備単価は含まない)

・解体費用は発注実績により、構造形式にかかわらず一律に設定

・耐用年数は一律 60 年の設定

・改修単価は、発注実績により、一律に単価を設定

・改修サイクル

15年目(中規模)⇒30 年目(大規模)⇒45 年目(中規模)⇒60 年目(更新・建替)

(14)

2 将来コストが財政に及ぼす影響

○試算条件

○全量保有した場合の償還計画

本市の投資的経費、維持補修費、公債費の実績から、公共施設の更新・改修に充てること のできる最大費用を一般財源ベースで155億円/年と仮定します。

仮に、現状の施設をすべて保有し続けた場合、今後15年は更新・改修が可能であると考え られます。

平成39年度以降は、現状の費用で乗り越えることは困難な状況です。更新する施設の量を 延床面積で80%まで減らすことが必要となりますが、それでも、市債の返済時期と大量更新 期が重なる平成 44~53 年度を乗り越えるためには、さらに 60%程度にまで施設の削減を考 える必要があるという結果となっています。

表 3-6:将来保有施設量の試算

○更新・改修に対応した起債に伴う公債費の発生見込み

公共施設の更新に対応するため、毎年新たな市債を発行することを想定すると、公債費及 び起債残高が、平成29~58年度頃までの30年間では、右肩上がりで増え続けることが見込 まれます。

《国・県補助》 補助率:30

《市債発行》 年利:1.8%、借入期間:20年、据置期間3年 起債充当率:75

(15)

図 3-5:改修費を含めた更新費用の調達に必要な公債費及び起債残高の推移(5 か年平均)

図 3-6:新たな市債発行が実質公債比率に及ぼす影響の試算結果(5 か年平均)

(16)

第4章 施設分野別の分析

1 施設の配置・サービス水準

施設分類ごとに配置やサービス水準についてまとめました。

○サービス圏域

ここでは、サービス圏域を想定している施設について、「地域施設」と「広域施設」に大別し て、主な施設における市内の配置状況と特徴を整理しました。

表 4-1:圏域別施設の定義

図 4-2:地域施設の配置状況

(17)

図 4-3:広域施設の配置状況

○「地域施設」のサービス水準に関する分析

「地域施設」に分類できる施設のうち、主な施設については以下に掲げる観点から分 析しました。

《分析の観点》

・施設の目的・機能

・建物の状況

・配置状況

・利用状況

・将来ニーズの見通し

・施設の有効性

(18)

①行政系施設

総合事務所が4施設、まちづくりセンターが14施設、出張所が4施設、連絡所が9施設 あります。

まちづくりセンターに比べ、出張所や連絡所の利用件数が低い実態があります。 その地域における施設への交通アクセスなどの実情を踏まえて設置した経過はあります が、当時の状況と現状を比較・検証する必要性もあるかもしれません。

②集会施設

旧津久井4町の区域に40施設があり、自治会や農林業従事者などによる地域の集会・コ ミュニティの場として活用されています。

旧相模原市と旧津久井 4 町とで異なる経過をたどってきた分野の一つであり、今後の施 設更新を考えると、管理運営を含めた施設のあり方や配置について、統一化を検討してい くことが課題となります。

コスト状況は、ほとんどの施設が自治会等による管理運営のため市が負担する年間コス トは低くなっています。

③公民館等

住民の教養の向上等を図り、生活文化の振興、社会福祉の増進に寄与することを目的と する施設で、各種講座などの事業実施、団体・サークル活動の場などに利用されています。

将来人口が減少傾向にある地区では、利用者数や稼働率の更なる低下が想定されること から、施設のあり方や配置について、検討していくことが課題となります。

さらに、今後、旧市と旧津久井 4 町の利用料金の統一化について、受益者負担の適正化 の観点も踏まえながら検討することも必要となります。

④診療所

緑区内の津久井、相模湖、藤野の 3 地区のみで7 施設があり、診療行為の他、疾病予防 や健康の維持、増進を含む地域医療サービスを提供しています。

地域医療サービスに対する社会的な需要とともに、将来の高齢人口の増加を踏まえて検 討していくことも必要と考えられます。

⑤消防施設

消防署所は、火災や救急、救助などの災害に常時出場可能な体制を保持して、主に消防 活動を行う施設で、4つの本署のもとに18の分署・出張所・救急隊派出所があります。

消防団施設は、消防団の資機材保管、活動拠点となるための施設で、113施設があります。 暮らしの安全・安心を支える重要な役割を担っており、過不足なく配置されること、的 確な維持管理が行われることが特に求められ、老朽化などに的確に対応し、最適な施設環 境を維持する必要があるため、更新を行うための必要な財政措置などを講じておくことが 重要な視点になると考えられます。

(19)

○「広域施設」のサービス水準に関する分析

広域施設については、設置状況、利用状況からサービス水準に関する分析を行いました。

「利用状況」については、市内施設間の相対的な比較により把握し、特に利用が少ないと 考えられる施設を抽出整理しました。

「設置状況」については、一定の施設数を擁し、「平成 20 年度社会教育調査」、「平成 23年度指定都市基本施策比較検討調」で他の政令指定都市と比較できる、文化会館、図書館、 スポーツ施設について検証しています。

全般的に数万人レベルで一定の利用がある施設が多い状況ですが、スポーツ・レクリエー ション系施設では、10 万人以上/年に利用されている施設がある一方で、5 千人以下/年と 利用が少ない施設もあります。

相対的に利用が少ない施設については、利用向上に向けた事業運営の取組みが課題となり ます。

また、利用に見合った適正な施設数・規模を検証し、利用の推移(将来ニーズの想定)、コ ストとのバランスなど、既存の施設におけるサービス提供を継続する必要性等の分析を踏ま え、今後のあり方について検討することも課題です。

2 少子化対応

○少子化対応に関する分析 ①小学校

小学校は、市が保有する施設の延床面積全体の約3割を占め、年間228億円のコストを要 しています。災害時の避難所としての機能も有しており、それぞれの地区の重要な施設の一 つでもあります。

その一方で、今後の児童数は、一部の地区では増加が見込まれているものの、ほとんどの 地区で減少していく見込みです。また、建物の 74%が建設後 30 年を経過しており、老朽化 対策は大きな課題になっています。

このため、今後の児童数の減少に合わせて、小学校の配置や施設の規模について、児童へ の教育効果や地域に与える影響を踏まえながら、検討していくことも重要であると考えられ ます。

②中学校

中学校は、市が保有する施設の延床面積全体の約2割を占め、年間124億円のコストを要 しています。災害時の避難所としての機能も有しており、それぞれの地区の重要な施設の一 つでもあります。

その一方で、今後の生徒数は、一部の地区では増加が見込まれているものの、ほとんどの 地区で減少していく見込みです。また、建物の 60%が建設後 30 年を経過しており、老朽化 対策は大きな課題になっています。

このため、今後の生徒数の減少に合わせて、中学校の配置や施設の規模について、生徒へ の教育効果や地域に与える影響を踏まえながら、検討していくことも重要であると考えられ ます。

(20)

③保育所・幼稚園

保育所の建物の75%、幼稚園3園のうち2園が建設後30年を経過しており、老朽化対策 が必要となります。

また、政令指定都市と比較すると、本市は、民間を含めても保育所の数が少なく、入所待 機児童数が多い状況です。

将来の人口減少と保育ニーズの傾向を十分に勘案し、中長期的な視点から、民間の保育施 設の配置状況を踏まえた保育所のあり方について検討することが課題です。

④幼児・児童施設(児童クラブ・こどもセンター・児童館・放課後子ども教室)

児童クラブはすべての小学校区で利用できますが、旧津久井4町では近隣の児童クラブま でタクシーによる移送を行っていることから、サービスの利便性に差があります。こうした 中には、児童クラブのニーズが高い小学校があることが課題となっています。

こどもセンターは、1公民館区当たり1館を整備してきましたが、津久井地区、相模湖地 区、藤野地区にはありません。また、施設規模が大きいことから、今後の改修期を迎えるに 当たっては計画的な対応が必要となります。

児童館は、市全体で 22 施設ある中で、複数の施設を利用できる小学校区があり、配置バ ランスを考える必要があります。また、老朽化した施設があることも課題です。

全体としては、子育て支援策に対する社会的な需要とともに、将来の年少人口の減少を踏 まえて検討していくことが重要と考えられます。

3 高齢化対応

○高齢化対応に関する分析

①老人福祉センター等

高齢化が進む中、高齢者の健康増進や仲間づくり、介護予防などを目的とした施設の需 要は増えるものと考えられます。

施設の大規模修繕や更新については、今後の需要の増加や区ごとの配置バランスにも留 意しながら、施設のあり方を検討することが課題となります。

②デイサービスセンター

今後の高齢者の増加により、デイサービスセンターの利用は増えることが想定されます。 見込まれる需要に対応できるように取り組むことが課題となります。

一方、市内には民間のデイサービスセンターが多数あることから、これらの配置の状況 などを踏まえながら、市の施設としてのあり方について考える必要があります。

③高齢者能力活用施設、シルバー人材センター

シルバー人材センターは、どちらの施設も建設後30年以上経過していることから、今後

(21)

4 建物性能の確保

○中期的に発生が見込まれる将来コストの分析

今後30年程度の期間を想定した場合に、改修費及び更新費の負担が大きくなることが見込 まれる施設分類を把握し、計画的な維持管理の対象として特に重視すべき施設や将来コスト の発生状況を明らかにします。

なお、今回の試算は便宜上、全ての施設を60年で更新することとしていますので、施設に よっては、必ずしも更新時期が下記の表に当てはまるとは限りません。

表 4-48:施設分類別の更新・改修費用試算結果表(5 年集計)

○耐震性能の確保に関する分析

現在の耐震基準は、昭和56年の建築基準法改正により定められました。それ以前に建築 した建物については、その基準を満たしていない可能性があることから、個別に耐震診断 を行い、必要に応じた改修により、耐震性能の確保を図っていく必要があります。

現在、市全体の建物の耐震化率は、延床面積で98%以上となっており、耐震化は順調に 進んでいます。

一方、耐震改修が必要と診断された施設は、旧津久井 4町における庁舎や戸建てで平屋 の市営住宅などを中心に14棟あります。また、耐震診断が未実施となっている施設は174 棟あります。(平成24年2月末現在)

これらの施設については、市民利用度が高い施設を優先に、耐震診断や建替えを進めて いく予定です。

(22)

表 4-53:耐震化の状況

○バリアフリー化の状況に関する分析

施設分類別に見ると、庁舎や文化施設、公民館、図書館、保健施設、幼児・児童施設など では、7割以上がバリアフリー化しています。

現状、対応のない施設は、消防団詰所や戸建ての市営住宅など、利用者が限定される施設 が約半数を占めています。

今後の高齢化を考えると、公共施設は誰もが使いやすい施設であることが一層求められて きます。施設ごとに、利用実態やニーズを踏まえたバリアフリーの取組みを進めていく必要 があります。

図 4-81:施設分類別のバリアフリー化対応状況

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5 管理運営の効率性

○維持管理の効率性に関する分析

公民館等、小学校、中学校では、老朽化に伴う改修工事の影響で改修工事費が維持管理費 の約4~5割を占めています。特に、小学校、中学校では、改修工事費の年間支出は約610 億円と高くなっており、今後も老朽化に対するニーズは高まるものと考えられます。

図 4-84:代表的な直営施設の費目別維持管理費

○賃借料に関する分析

賃借料を負担している施設は、その分、同種の施設の中でも維持管理費が高くなる傾向があ ります。ただし、賃借料を負担している施設では、施設の整備費や用地費がかかっていないこ とも考慮する必要があるため、一概に賃借が問題であるとは言いきれません。

現在の本市の置かれている状況を踏まえると、将来保有する施設量を検討したうえで、借用 している施設の購入を判断する必要があります。

6 受益者負担

市が提供する行政サービスに係る受益と負担のより適正な関係とするための検討として、行 政サービスに要する費用と利用者の負担の状況について整理しています。

○受益者負担に関する分析

市民が利用する主な施設、又は、使用料を徴収している主な施設を分析しています。 適正化の視点としては、既存の受益者負担を求めている施設の負担割合の適正化、現在は負 担を求めていないが受益者負担を求めていく適正化の2つの方向性が考えられます。利用者負 担の適正基準を明確にし、市民の納得のもと受益者負担の適正化に取り組むことが今後の課題 となります。

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○同種施設の中で受益者負担の有無がある施設

公平性の観点からは、同種施設及び同種機能を持った施設の中で受益者負担を求めている施 設がある場合には、負担を求めていない施設について負担を求めていくことが必要です。

表 4-57:同種施設の中で受益者負担の有無がある施設

7 遊休資産の有効活用

跡地に分類される施設について、建物及び用地の状況を整理しています。

○跡地に分類させる施設

今回の調査で「跡地」に分類された施設は、全部で16施設あります。主として廃校になった 小学校や、宿泊施設等を跡地に分類しました。

これらの施設のうち、現在利用のない遊休施設は、青野原道志川の家、旧菅井小学校の2施 設です。その他の施設については、学校法人へ貸与施設、倉庫や地域の集会施設として利用す るなどしています。

また、旧小渕小学校、旧吉野小学校については、屋内運動場を一般に貸出しして利用料を徴 収しているほか、旧名倉小学校については、学校法人により小・中学校として活用される中で、 貸借料を得るなど、収入確保に関する取組みも行われています。

なお、旧小渕小学校、旧吉野小学校については、平成23年度に利用者の公募を行い、旧吉野 小学校については、新たに学校法人への貸与を始めたところです。

市における活用方策がないと判断される場合には、売却を視野に入れた検討を行う必要があ ります。

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第5章 課題のまとめと必要な取組み

1 今後の公共施設マネジメントの枠組み

今後の公共施設マネジメントに当たっては、まず、施設サービスのあり方を検証し、その適 正化を考えることが重要であり、その上で、保有すべき施設を適正に管理運営する体制を構築 していくことが求められます。

図 5-1:今後の公共施設マネジメントの枠組みイメージ

2 今後の公共施設マネジメントに必要な取組み

ここでは、公共施設マネジメントの枠組みとして整理した各項目について、本市の公共施設 における課題を踏まえた具体的な取組み内容を整理しています。

○「施設サービスの適正化」に必要な取組み

・公共施設の再編・再配置(存続・見直し施設の明確化、再編・再配置の方針提示)

○「継続保有する施設のマネジメント」に必要な取組み

・建物の長期保全の仕組みづくり

・施設の管理運営手法の見直し

○「廃止する施設」のマネジメントに必要な取組み

・廃止施設の利活用計画策定

○「公共施設マネジメントの環境整備」に必要な取組み

・組織・人員体制の見直し

・情報の一元的管理

・新たな財源確保・資金調達の仕組みの検討

図 4-3:広域施設の配置状況 ○「地域施設」のサービス水準に関する分析       「地域施設」に分類できる施設のうち、主な施設については以下に掲げる観点から分 析しました。 《分析の観点》 ・施設の目的・機能 ・建物の状況 ・配置状況 ・利用状況 ・将来ニーズの見通し ・施設の有効性

参照

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